最近,週末は民事訴訟法の本(ちなみに,法律の世界では,教科書的な本を「基本書」と呼びます。)を読んでいます。
藤田広美先生の書かれた「講義 民事訴訟」と「解析 民事訴訟」です。
弁護士の知識量は司法試験の頃がピークと揶揄されることもあるように,条文などの細かい知識は時間が経つとともにどんどん忘れていきます。
一方で,なんとなくこれはやっていいな,これはやっていけないな,という感覚というのは,経験を積むにつれてわかってくるものです。
ですが,私はこの「なんとなく」というのを気持ち悪く感じてしまうため,自分の今行っている挙動に根拠があるのか無いのか,ということを確認したくなってしまいます。
法律的なセンスのある弁護士であれば,感覚だけでやっていけるのでしょうが,私にはセンスが無いため,きちんと知識を更新していかなければなりません。
司法試験の頃に何度も読んだ本でも,実務に出てから改めて読むと気づかされることが多くあることです。
知識は経験で裏打ちされて初めて意味を持つということでしょうか。
面白いのは,受験生の頃には学説の対立なんてどうでも良い,裁判所の考え方だけ理解できれば良い,と思っていたものですが,実務に出て世界が広がると,むしろ学説の対立の方が興味深く読めるようになってきました。