自転車の交通事故被害と損害賠償

1 自転車に乗っていた方が被害者の場合

自転車と車両が接触した場合の交通事故においても,自転車の修理費用,治療費や慰謝料などが問題となることは,車同士の事故の場合と同じです。

しかしながら,自転車の場合には,自転車特有の問題があります。

 

① 自転車は道路交通法上,軽車両である。

→ 自転車は,軽車両であるため,路側帯を通行することができます。そのため,左折する車両の巻き込み事故や,車がドアを開いたときにぶつかってしまうという,自転車特有の事故態様が生じます。

 

② 怪我の仕方が車対車の場合と異なる

→ 車同士の事故は,衝突の状況もよりますが,(特に運転手の場合は)シートベルトが当たっている部分の骨折や,手足を踏ん張った際の傷,頭をハンドルに打ち付けるなど,怪我の仕方にある程度の傾向があります。

しかしながら,自転車の場合は,生身で乗っているうえに,横に倒れる,頭から落ちるなど怪我の仕方も様々です。よって,一見軽そうに見える事故態様であっても,想定外に大きな怪我を負ってしまう場合があり,特に注意が必要といえます。

 

③ 高齢者(65歳以上)や児童(13歳未満)など弱い立場の人も自転車に乗る

→ 高齢者や児童には必ずしも適切に事故を回避できるとは限らないという配慮から,過失割合が5%~10%ほど,自転車側に有利に修正されることになります。

以上のように,自転車は特有の性質があり,車同士の事故と異なる場合があります。

また,車両保険の弁護士費用特約が使える場合があることにも注意してください。

 

2 自転車に乗っていた方が加害者の場合

自転車に乗っている方が常に被害者とは限りません。自転車が加害者側になることもあるのです。

自転車が加害者となった場合も,自転車特有の問題があります。

 

① 保険に加入している場合はまれ

保険に加入していないということは,加害者に対する請求が困難になるということです。 特に,自転車には,自動車でいう自賠責保険に相当する保険もないため,相手の資力がないと,最低限の補償を受けることも難しくなってしまいます。

 

② 後遺障害の認定手続きも使えない

自賠責保険に相当する保険が無いということは,後遺症の認定手続きを受けることもできないということです。

任意の交渉において,相手方に後遺障害を認めさせることは困難ですので,裁判を視野にいれた交渉をせざるを得なくなります。

自転車が加害者となる場合は,補償を受けることが難しくなる場合があります。

しかし,この場合でも,自分の保険を使える場合があります(「交通事故の相手方が任意保険に入っていなかった」)。

どのような補償が可能か,一度弁護士にご相談ください。

 

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