慰謝料基準の比較

１　慰謝料基準の比較

具体的事例をもとに，３つの慰謝料基準を比較してみます。

仮に，事故から４か月間（１２０日）の通院期間のうち，４０日通院した場合を検討してみます。

自賠責保険基準の計算方法は，

実通院日数×２　又は　治療期間

のうち，少ない数字に，４２００円をかけた額となります。

事故から４か月間（１２０日）の通院期間のうち，４０日通院した場合，

１２０日＞４０日×２＝８０であるため，

８０を計算の基礎とし，４２００円をかけた

３３万６０００円が，賠償額となります。

一方で，裁判・弁護士基準では，下にある表が基準となります。

下記の表を見ると，通院４か月では，むち打ち症などで他覚的所見がない場合は表１を参考にして，６７万円，それ以外の場合（例えばレントゲンに写るような骨折をしている場合）は表２を参考にして，９０万円が基準になります。

※　裁判・弁護士基準は個々の事案の特性を踏まえた判断をするため，上記金額から，大きく増減する可能性があり，基準通りの金額を直ちにもらえるものではありません。

あくまで，大まかな数値を決める基準になります。

自賠責の日数計算は上に書いたとおり，実通院日数×２　又は　治療期間　のうち，少ない数字が計算の基礎となります。

任意保険基準は保険会社が独自に算定するものであるため，統一されたルールはありませんが，これに近い数字が多い印象を受けます。

弁護士基準を使用した場合，通院が長期にわたる場合は，症状，治療内容，通院頻度をふまえて実通院日数の３～３.５倍程度を通院期間の目安とすることもありますが，原則として通院期間が計算の基礎となります。

このように，通院日数の計算の仕方がそもそも違うため，慰謝料の額にも大きな違いがでてくるのです。