弁護士とは何か(弁護士向け)

意外と意識されていませんが,弁護士は仕事です。

ボランティアでもなければ,趣味でもありません。

それでは,なぜ弁護士という仕事が存在するのでしょうか。
換言すれば,弁護士はなぜ報酬を得ることができるのでしょうか。

(もちろん様々な考え方,正解があります。ここではあくまで弊所の考えを説明します。)

報酬を得ることができるのは,社会になんらかの価値を提供しているからです。

それでは,弁護士が社会に提供する価値とは何でしょうか。
これを突き詰めて考えたことがあるでしょうか。

いわゆるマチ弁の場合,「事件を解決すること」が主な「価値」になることが多いでしょう。

では,「事件の解決」とは何でしょうか。

「依頼者に寄り添って~」といったことはいろんな弁護士事務所のウェブサイトに書いてありますが,
依頼者に寄り添うとは何でしょうか?
相手の話をよく聞いて共感することだと思っていませんか?
そもそも依頼者に寄り添えば「事件が解決」するのでしょうか?

弊所の考える「事件の解決とは」,(主に)
① 依頼者が心情的に納得すること
② 法的にきちんとした解決であること,
の2点です。

①についていえば,
どれだけ法律的に素晴らしい解決でも,依頼者が全く納得していなければ,事件が解決したとはいえません。

②についていえば,
依頼者が納得しさえすれば,滅茶苦茶な訴訟活動をしたり,不当に安い金額で和解して良いわけではありません。

ほとんどの弁護士は,②の要素である,「依頼者に法律的に正確な知識を伝えること」や,「良い訴状を書くこと」に重きを置きすぎです。
もちろん,これらは大事な要素です。

しかし,例えば,あなたが癌になって医師の診察を受けるときに,細胞分裂がどうとか,癌になる確率がどうとか,癌になる正確なメカニズムを知りたいわけではないと思います。
また,その医師がどれだけ手術が上手かったとしても,全く話を聞いてくれない,一度も患者の方を見ない医師であれば,「本当にこの医師に任せて良いのか」と不安になるでしょう。

あなたが医師に望むのは,適切な治療をしてもらうことを前提に,良く話を聞いてもらい,不安を取り除いてもらい,これからどのような治療をすれば良いのか,どのくらいの確立で治るのかといった見通しを教えてほしい,ということだと思います。

依頼者に(時に,どうせ理解できないだろうと思いながら)「法律的に正確な知識を伝えること」に集中してしまってはいないでしょうか。
「伝える」ことと「伝わる」ことは別です。
校長先生の長い話を覚えていないのと同じで,多くの場合,自己満足になっている危険性があります。

①「依頼者の心情的な納得」は,このような文脈で考えるべきです。

そして,①は立体的で,時系列とともに内容が変わってくることにも注意が必要です。

たとえば,依頼のタイミングでは,「この弁護士に依頼したから安心だと思ってもらい,この後何をすればいいのかを明確に理解してもらうこと」が必要となってきます。

従って,初回相談がただの聞き取りになってしまっていては,全く不十分です。
初回相談の段階で,事件の解決までの青写真を提示できなければなりません。

事件処理の途中のタイミングでは,(事件数を制限してでも)事件を遅滞させない,依頼者と密に連絡を取るなどの対応が必要となってきます。

弊所に依頼替えをしてくれた依頼者の中でも,前の事務所では,一度依頼をしたら,二度と弁護士と話せなくなった,弁護士が何をしているのかわからない,という話をよく聞きます。
疑問は依頼後も,時間とともに次々と出てくるため,この疑問を解消する必要があります。
また,今何をしていて,どういう状況にあるのかも伝える必要があります。
弊所では,何も進捗が無くても,期間が空いてしまったら依頼者に連絡をしています。
このような,不安を取り除き,信頼を高める努力をしているでしょうか。

割愛しますが,解決のタイミングでもいくつもの重要なことがあります。

結果的に,当事務所では依頼者からクレームが来たり,解任になることはほとんどなく,多くの依頼者に満足して頂いています。
手前味噌ですが,当事務所ウェブサイトのお客様の声を参考にしてください。
※ 内容が充実しているアンケートを先頭にもってきてはいます。

また,このような対応は依頼者のためだけではなく,弁護士自身の為でもあります。
弁護士は意外と依頼者ともめることの多い仕事です。
ただでさえ,相手方との関係でストレスの多い仕事なのに,依頼者からのクレームは更に心を削り,
誰のために事件を処理しているのかわからなくなってしまい,だんだんと事件に向き合うのが嫌になってきてしまいます。
長く弁護士を続けるためにも,不要なストレスはかからない方が良いと考えています。

 

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