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お客様のアンケート

2026-01-30

1 当事務所に依頼して,満足した点,良かった点は何ですか。

  示談解決に向けて,丁寧且つ的確なアドバイスを頂けた事。
  丁寧で分かり易い説明を頂き信頼を寄せることが出来,何と言っても先生への相談のし易さが一番でした。

2 事故について,弁護士に相談しようと思ったきっかけ,理由は何ですか。

  相手方の保険会社のあり得ない対応と横柄で事務的な態度に呆れ,素人の自分では歯が立たないと思ったから。

3 当事務所を選ばれた理由は何ですか。

  同市内で近いうえ,交通事故専門で信頼出来そうだった。

4 そのほか,感想等,ご自由にお書きください。

  この度は大変お世話になりました。お陰様でほぼ納得行く形で示談出来た事に心から感謝申しあげます。今回,怪我の治療を伴う事故が初めてで体調も思うように回復しないなか,相手方の保険会社の対応に不安と不信感しか無かった中,先生に親切丁寧に対応頂き本当に安心出来ました。
  特に事務の方にはご多忙中にも関わらず大変親切に対応頂き,無理な要求にも快く受入れて頂けた事が大変嬉しく心より感謝申し上げます。
  解決まで時間はかかりましたが,信頼できる先生でその都度迅速に報告頂けとても安心出来ました。これからも被害者の心強き相談者として,先生のご健勝とますますのご活躍をお祈り申し上げます。本当に有難う御座いました。

お客様のアンケート

2026-01-26

1 当事務所に依頼して,満足した点,良かった点は何ですか。

 ・相手先の保険会社との交渉をスムーズに行って頂き,都度内容や状況を報告してくれたこと。

 ・書類の記入含め,困った時にどうすれば良いか,適切に素早くアドバイスをくれたこと。

 ・客観的に状況を判断して頂き,裁判となった場合等の情報も提供してくれた事。

2 事故について,弁護士に相談しようと思ったきっかけ,理由は何ですか。

 事故後に相手先の保険会社から何度か連絡を頂き,対応してましたが,専門知識が無く,どのように対処して良いか不明な事が多かった為,ネットを見て専門家に相談しようと思いました。

3 当事務所を選ばれた理由は何ですか。

 ネットを色々検索した中で,先生ご自身が,事故の経験が有り,相談しやすいと思い連絡しました。対応して頂いた事務員さんが安心して相談できそうな対応をして頂き,信頼できそうな事務所だと思いお願いしました。その後も非常に丁寧な対応をして頂き,選んで良かったです。

4 その他,感想等,ご自由にお書きください。

 車の破損状況や怪我の状況から一度3カ月で打ち切られましたが,痛みが残る中,アドバイスを頂き,治療を継続する事ができ,補償も十分されました。

 お願いしていなかったら,3カ月で終了し,治療も継続できたか不明です。

 この度は,先生及び事務員様には本当にお世話になりました。ありがとうございました。

お客様のアンケート

2026-01-25

1 当事務所に依頼して,満足した点,良かった点は何ですか。

 ・事務所の雰囲気がとても良かったこと

 ・専門的なこともわかりやすく説明して頂き,途中経過も知らせて頂けたこと。

 ・満足できる結果になったこと。

2 事故について,弁護士に相談しようと思ったきっかけ,理由は何ですか。

 相手の反省がなく,主張も二転三転してしまい,保険会社ではどうにもならなくなったため。

3 当事務所を選ばれた理由は何ですか。

 交通事故に強く,信頼できる先生がいると聞いたので。

4 その他,感想等,ご自由にお書きください。

 今回の事故で世の中は理不尽だなと思っていましたが,篠木先生やスタッフの方々のおかげで前を向くことができました。本当にありがとうございました。皆様お元気でお過ごしください。

お客様のアンケート

2026-01-19

1 当事務所に依頼して,満足した点,良かった点は何ですか。

  初めての事故被害で手続き等不安なことすべてを丁寧に対応していただいた。

2 事故について,弁護士に相談しようと思ったきっかけ,理由は何ですか。

  対応も不安であり,弁護士特約も入っていたため。

3 当事務所を選ばれた理由は何ですか。

  インターネットにて調べて事故対応に強いと感じたため。

4 その他,感想等,ご自由にお書きください。

  大変お世話になりました。適切で丁寧な対応ありがとうございました。

お客様のアンケート

2026-01-17

1 当事務所に依頼して,満足した点,良かった点は何ですか。

 最初の問い合わせの電話でお話した時から親身になって相談にのって頂きました。また,定期的に連絡もきちんとして下さり,安心しておまかせする事が出来ました。

2 事故について,弁護士に相談しようと思ったきっかけ,理由は何ですか。

 相手保険会社側の担当者が途中で変わり,対応が悪く,そのやりとりが精神的に疲れてしまったので,弁護士に相談しようと思いました。

3 当事務所を選ばれた理由は何ですか。

 専門性の高さと,きちんと話を聞いてこちらの気持ちに寄り添って下さった所。

4 その他,感想等,ご自由にお書きください。

 この度は篠木先生そして事務の方々に大変お世話になりありがとうございました。突然の事故でどうしていいかわからず,また相手保険会社から治療打ち切りを言われ,精神的につらい状況だったのですが,先生にご相談して本当に良かったです。感謝しております。

お客様のアンケート

2026-01-17

1 当事務所に依頼して,満足した点,良かった点は何ですか。

 主人の歩行中の事故だった為,先方の保険会社と私が直にやり取りしていましたが,依頼後はすべてこちらで対応してもらえたのでとても助かりました。頼りになる専門家がついて下さるというのは本当に心強かったです。

2 事故について,弁護士に相談しようと思ったきっかけ,理由は何ですか。

  先の見えない不安な状況の中,主人の看病や各方面の対応をしなくてはならず大変負担であったため。また,どのように対処したらよいかわからず不安だったから。

3 当事務所を選ばれた理由は何ですか。

  ホームページを拝見して先生ご自身も事故に遭われた事があるという事で,親身になっていただけそうと思ったから。顧問医がいるという点も大きかったです。

4 その他,感想等,ご自由にお書きください。

  突然の災難に不安な日々を過ごしておりましたが,親身に相談にのっていただき,とても安心することができました。特に担当の事務員さんにはお世話になりました。弁護士さんに依頼したのは初めてでとても心理的ハードルが高かったのですが,お願いして本当に良かったです。ありがとうございました。

お客様のアンケート

2026-01-15

1 当事務所に依頼して,満足した点,良かった点は何ですか。

  先生とお会いしたのは初めの一回でしたが,何か進捗があると都度連絡をくださったので,最後まで安心してお任せする事ができました。

2 事故について,弁護士に相談しようと思ったきっかけ,理由は何ですか。

  個人ではどのように対応して良いのかわからず今回相談させていただきました。結果,弁護士を通したからこそ請求できるものもありましたので,相談させて良かったと思っています。

3 当事務所を選ばれた理由は何ですか。

  HPで交通事故を専門にやられているという文を拝見し,選ばせていただきました。

4 そのほか,感想等,ご自由にお書きください。

  先生と当方でのやり取りもスムーズでしたし,最終的な金額にも大変満足しています。またお世話になるような事は無いに越した事はありませんが,何かあった時は先生に相談させていただきたいと思います。暑い日が続きますので,皆様お体ご自愛ください。

お客様のアンケート

2026-01-15

1 当事務所に依頼して,満足した点,良かった点は何ですか。

 交通事故の相談・治療交渉・示談交渉・細やかな連絡,全てにおいて満足しております。損害賠償等も120%の満足度ですが,それ以上に人間の「信頼関係」という言葉を勉強させられました。

2 事故について,弁護士に相談しようと思ったきっかけ,理由は何ですか。

 事故形態が大きく,複雑な気がしたため,個人での保険会社との交渉は無理と思い,交通事故専門の篠木先生に相談しました。

 (素人では想像を超える複雑な事が重なった交通事故だった為です)

3 当事務所を選ばれた理由は何ですか。

 インターネットで交通事故での篠木先生自身の体験談を見て,共感をしてTELをしてみて,直接お話をして,面談をして頂き,今回の交通事故に対して正面から誠実な話をしてもらった事が,つくば第一法律事務所を選んだ理由です。

4 その他,感想等,ご自由にお書きください。

 この度は篠木先生をはじめ,担当して頂きました事務の方々,ありがとうございました。

 本人をはじめ,親族一同,言葉じゃ言い表せないほどの感謝の気持ちです。ですから文章などではとても書ききれないのが事実です。

 この度は篠木先生をはじめ,担当して頂きました事務の方々,ありがとうございました。

 勝手な事を書きますが,私達のような交通事故の被害者が一人でも多く,篠木先生の様な正々堂々と話をしてくれる弁護士さんに会える事を願ってやみません。私事ですが,今回は自分のインスピレーションを頼って,一見冷酷そうですが,話すと誠実な篠木先生にお願いをして,大変満足いたしました。

令和 4年10月20日 判タ1519号202頁

2026-01-14

裁判年月日       令和 4年10月20日 

裁判所名           東京高裁 

裁判区分           判決

事件番号           令4(ネ)1409号

事件名              債務不存在確認請求控訴事件

 

主文

 1  本件控訴を棄却する。

 2  控訴費用は,控訴人の負担とする。

 

事実及び理由

第1  控訴の趣旨

 1  原判決を取り消す。

 2(1)控訴人の被控訴人に対する原判決別紙発言目録記載の発言を理由とする損害賠償債務が存在しないことを確認する。

    (2)控訴人の被控訴人に対する平成27年4月から平成30年4月までの間に行われた控訴人社員Aによる優越的な関係を背景とする業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動による損害賠償債務が存在しないことを確認する。

    (3)控訴人の被控訴人に対する原判決別紙発言目録記載の発言を理由とする謝罪文を交付する義務が存在しないことを確認する。

第2  事案の概要

 1  本件は,控訴人が,被控訴人が控訴人の従業員等からマタニティハラスメントやパワーハラスメント(以下「本件パワハラ等」という。)を受けたとして控訴人に対し謝罪文等を要求しているが,本件パワハラ等は存在しないとして,控訴人の被控訴人に対する安全配慮義務違反による債務不履行,使用者責任又は会社法350条に基づく損害賠償債務及び謝罪文の交付義務が存在しないことの確認を求める事案である。

 2  原審が,請求が特定されていないとして,控訴人の訴えをいずれも却下したところ,控訴人は,これを不服として控訴した。

 3  前提事実(争いがないか,後掲の証拠(特記しない限り枝番を含む。)及び弁論の全趣旨により容易に認定できる事実。)

    (1)当事者等

    ア 控訴人は,建築リフォーム等を業とする株式会社である。

    イ 被控訴人は,控訴人の従業員であったが,令和4年2月27日付けで自動退職扱いとされた(甲27,28)。

    ウ A(以下「A」という。)は,被控訴人が控訴人に勤務していた当時その上司であり,平成29年10月10日から令和2年9月30日まで控訴人の取締役であったものである(甲14,25)。

    (2)被控訴人は,平成27年4月から控訴人の従業員として稼働し,同じく控訴人の従業員である女性と平成29年12月に婚約し,平成30年9月に結婚式を挙げたところ,その間の同年3月に同女性の妊娠が判明した(甲2,5)。

    (3)被控訴人は,控訴人に対し,令和元年5月19日付けの「X1を日本一の会社に飛躍させるための案」と題する書面(以下「本件申入書」という。)を提出した。

  本件申入書には被控訴人入社後の時系列に沿いつつ被控訴人が感じたことなどが書かれた部分もあったが,その中に,上記女性が妊娠したことにつき平成30年4月に幹部から詰められたといった記載や,Aからのパワーハラスメントにより鬱になった旨の記載などが含まれていた。

  (甲5)

    (4)被控訴人は,令和元年5月23日から育児休業を取得していたが,令和2年10月14日,控訴人代表者と面談し,本件申入書に記載された件や育児休業からの復帰後のことなどについて話をした。話は復帰後のことや本件申入書に記載されたことなどにわたり,被控訴人がわだかまりを抱えているのなら今日解決したいなどといった控訴人代表者の発言や,関係者に謝罪を求める趣旨の被控訴人の発言などもあったが,話はまとまらなかった。

  控訴人は,同年12月18日,八王子簡易裁判所において,被控訴人を相手方として,調停を申し立て,これを受けて被控訴人は本訴代理人弁護士を調停の代理人として依頼するなどした。

  (甲12,16,22,27,乙2)

    (5)被控訴人は,令和3年1月18日,労働組合であるBユニオン(以下「本件労組」という。)に加入した。

  本件労組は,同月27日付け書面をもって,被控訴人の復帰に当たっての控訴人の方針を明らかにすることを求めるとともに,被控訴人に対するパワハラ等について事実関係を調査し,責任者を処分し,文書で謝罪するとともに,これらの内容を全従業員に通知することなどを求め,控訴人に対し,団体交渉を要求した。

  これに対し,控訴人は,同年2月2日に上記調停申立てを取り下げ,同月3日付け訴状により,被控訴人を被告として,被控訴人に対し「ハラスメントを理由とする損害賠償債務を負担しないこと」の確認を求める本訴を提起した(なお,本訴の請求の趣旨は,原審での複数回にわたる訴えの変更の結果,現在のものとなっている。)。

  (甲6,12)

    (6)令和3年2月26日,本件労組側が被控訴人及び書記長ら,控訴人側が本訴代理人弁護士及びAらの出席の上,1回目の団体交渉が行われ,その中で,本件労組は,控訴人に対し,本件パワハラ等に関する事実関係の調査や被控訴人の復職へ向けての調整を求めるなどしたほか,控訴人が本訴を提起したことが不当であるなどと主張した

  (甲7,8,15)。

  本件労組は,同年4月1日,神奈川県労働委員会において,控訴人を被申立人として,控訴人が本件労組との間で被控訴人の復職条件に係る団体交渉に誠実に応じないこと,本訴の提起は被控訴人が本件労組の組合員であることを理由とした不利益取扱いであること等を主張して不当労働行為救済命令を申し立てた(甲12)。

  同年4月7日,2回目の団体交渉が行われ,お互いの発言等をめぐって紛糾する場面も多かったが,被控訴人の復職後の処遇や本件パワハラ等に関する件なども話題とされた(甲9,10)。

  同年5月10日,3回目の団体交渉が行われ,被控訴人の復職後の処遇や本件パワハラ等に関する件などの話がされ,後者については控訴人側から被控訴人に対し本件パワハラ等と考えている行為をすべて明らかにするよう求めるなどした(甲11)。

    (7)その後,控訴人や関係者により以下の訴訟が提起された。

    ア 損害賠償請求訴訟①

  控訴人は,令和3年5月28日付け訴状により,横浜地方裁判所において,本件労組を被告として,上記救済命令申立てが違法であるとして,損害賠償を求める訴訟を提起した(乙2)。

    イ 損害賠償請求訴訟②

  Aは,令和3年8月2日付け訴状により,横浜地方裁判所相模原支部において,被控訴人を被告として,被控訴人がAを本件パワハラ等を行った者と名指しした行為等が名誉棄損に当たる等として,損害賠償を求める訴訟を提起した(甲16)。

  なお,同支部は,令和4年6月29日,この訴訟について,Aの請求を棄却するとの判決を言い渡した(甲26)。

    ウ 損害賠償請求訴訟③

  控訴人は,令和4年6月3日付け訴状により,横浜地方裁判所において,被控訴人を被告として,被控訴人が顧客を装って控訴人の従業員らにメールを送ったと主張し,この行為が不法行為に当たる等として,損害賠償等を求める訴訟を提起した(甲27)。

    (8)被控訴人は復職予定であったが,平成3年5月24日付けの医師の診断書において神経衰弱状態で自宅静養を要するとされており,同年7月12日付けでこれを理由に同年5月27日から8月27日までの年次有給休暇を申請した(甲13,18)。そして,被控訴人は就業規則に基づく休職期間満了により令和4年2月27日付けで控訴人を自動退職するに至った(甲27,28)。

 4  争点は,①請求の不特定により本訴を却下すべきか否か,②確認の利益の欠如により本訴を却下すべきか否か,③本件パワハラ等の存否であり,これらの点に関する当事者の主張の要旨は,次のとおり補正するほかは,原判決の原判決3頁1行目から11頁25行目までに記載のとおりであるから,これを引用する。

  以下原判決中,「原告」,「被告」,「訴外A」とあるのを,それぞれ「控訴人」,「被控訴人」,「A」と読み替える。

    (1)原判決3頁1行目を,「(1)争点①請求の不特定により本訴を却下すべきか否か」と改める。

    (2)原判決5頁8行目を,「(2)争点②確認の利益の欠如により本訴を却下すべきか否か」と改める。

    (3)原判決5頁14行目の「以下「提案書」という」を,「本件申入書」と改め,以下,原判決中,「提案書」とあるのを,いずれも「本件申入書」と改める。

    (4)原判決11頁20行目を,「(3)争点③本件パワハラ等の存否」と改める。

    (5)原判決11頁25行目の「予備的答弁」を,

  「本案の答弁」と改める。

第3  当裁判所の判断

 1  原判決は,本訴においては各請求の趣旨の特定がいずれも不十分であるとして,各請求に係る訴えを全て却下したものであるところ,この点についてはなお検討の余地がないではない。しかしながら,この点はさておくとして,当裁判所としては,本件においては確認の訴えにおいて求められる即時確定の利益が存在するとはいえないから本訴は不適法と判断するものである。その理由は以下のとおりである。

 2  本件は消極的確認訴訟である債務不存在確認訴訟であるところ,かかる訴訟が提起される典型的な事件類型である交通事故による損害賠償請求権の存否が問題となっている事案についてみると,この種事案において提起された債務不存在確認訴訟については確認の利益が認められるのが通常であるものの,紛争が未成熟であったり,訴え提起が濫用的であったりするなど特段の事情がある場合には確認の利益が否定される余地もあると考えられるところである(このような指摘をしている裁判例として,東京高裁平成4年7月29日判決・判例タイムズ809号215頁,東京地裁平成9年7月24日判決・判例タイムズ958号241頁)。本件は,職場における本件パワハラ等をめぐる紛争について債務不存在確認訴訟が提起されている事例であるところ,この種の紛争については以下のような指摘ができる。

  職場内において,パワーハラスメントやセクシャルハラスメント等,各種ハラスメント(以下「パワハラ等」という。)が発生したとして従業員が事業主に対して相談を持ちかけたり苦情を申し入れたりしたからといって(以下,両者を併せて「相談等」という。),当該従業員が事業主に対して損害賠償を請求する目的があると当然にいえるものではない。このような場合における問題解決の在り方には多様な選択肢があり得るところであって,従業員としては事業主が事実関係の調査を踏まえつつ適切な対応措置を取ることを通してより良い職場環境が実現されることを期待しているのがむしろ通常であると理解される。労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律30条の2第1項は,「事業主は,職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であって,業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されることのないよう,当該労働者からの相談に応じ,適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。」と定めるが,これは上記と同様の理解に立つものといえるであろう。そして,同条3項を受けて定められた「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和2年厚生労働省告示第5号)」(乙1)は,事業者に対して職場におけるパワーハラスメント防止のための措置を講ずることを求めるとともに,従業員から相談等があった場合において迅速かつ正確な事実確認やこれに引き続く措置を取るべきことなどを定めているところである。

  このような事情を考慮すると,従業員がパワハラ等について事業主に相談等をした場合には,状況のいかんにより将来的に従業員からパワハラ等を理由とする損害賠償請求がされる可能性がないわけではないけれども,その可能性は一般的抽象的なものにとどまり,むしろ両者間の協議や事業主による対応措置がされることによって債務不履行や不法行為を理由とする金銭賠償や特定的救済といった紛争にまで至らずに解決する可能性も十分に高いものと思われる。そうすると,紛争解決の在り方として損害賠償による解決が原則となる交通事故の場合などとは相当に様相が異なると解されるのであって,単に上記のような相談等がされたことをもって事業主に対する損害賠償請求権の行使につながる抽象的可能性があるとして当該従業員を相手に債務不存在確認訴訟を提起することは,損害賠償請求に係る紛争が未成熟な段階で確認を求めるものといわざるを得ない。また,かかる段階で債務不存在確認の訴えを提起することは,相談等をした従業員側の意思に必ずしもそぐわないばかりでなく,事業者の法令上の責務を果たさないまま応訴の負担を従業員に負わせることにもなりかねないところである。損害賠償請求がされる抽象的危険があれば債務不存在確認訴訟を提起できるとするならば,従業員としては損害賠償請求をしないと約束でもしない限り上記の負担にさらされることにもなるが,これは問題解決へ向けた従業員の選択肢を奪う結果となるのではないかとの疑問もあるし,その態様のいかんによっては従業員からの相談等を封殺するおそれがあることも否定できず,既に挙げた法令等の趣旨との抵触が問題となり得るというべきである。

  このような事情を勘案すると,以上のような状況の下で債務不存在確認訴訟が提起された場合において,当該確認訴訟による即時確定の利益があるといえるためには,少なくとも当該事案における事実関係に照らして従業員が事業主に対し損害賠償請求権を行使する現実的危険があるといえるだけの事情があることを要するものと解するのが相当である。

 3  これを本件についてみると,被控訴人が令和元年5月に提出した本件申入書(甲5)には,被控訴人が上司から本件パワハラ等を受けたという趣旨の記載がされているが,その中には控訴人に対して損害賠償を求めるといった記載は含まれていない。そして,被控訴人は,本件申入書を提出した直後から育児休業を取得していたが,令和2年10月になって控訴人代表者と面談しており,その際,育児休業から復帰後のことに加えて本件申入書に記載されていた本件パワハラ等の件についても話がされ,その中で,謝罪をしてほしい旨の発言が被控訴人からされてはいるが,この発言は長時間にわたる面談の一場面において出たものにすぎない。この面談では控訴人代表者による発言が多く占めているところ,むしろ控訴人代表者から「じゃあ1個1万円にしとく?1個1万円払うよ」などと金銭解決を持ちかけたかに取れる発言もあり,これに対して被控訴人が「1個1万円?いや,それは考えたことなかったので」と応じるなど(甲22),被控訴人側においては必ずしも損害賠償請求を念頭に置いていなかったこともうかがわれる。

  そして,被控訴人が加入した本件労組が令和3年1月27日付け書面(甲6)をもって控訴人に対して団体交渉を要求した際にも,そこにおける要求事項は,被控訴人の復帰に当たっての控訴人の方針を明らかにすること,被控訴人に対する本件パワハラ等について事実関係を調査し,責任者を処分し,文書で謝罪するとともに,これら内容を全従業員に通知することなどであり,本件パワハラの件について被控訴人への損害賠償を求めることは要求事項に入っていない。要求事項の中には文書での謝罪を求める部分もあるが,同事項全体から見るならば,これは債務不履行や不法行為を理由に特定的救済を求める趣旨のものというよりも,控訴人に対して前記厚生労働省告示が挙げる雇用管理上の措置の一環として謝罪を要求するという趣旨のものと理解し得るところである。控訴人と本件労組との第1回交渉の際には,本件労組側から,金銭的解決になる可能性もあるとの話が出ている部分も一部にはあるが,他方において,どういう職場を作っていくのか,その中で雇用の問題やハラスメントの問題をきちんと解決していくことを重視している趣旨の発言もされているところであって(甲7),交渉全体を見ても,被控訴人が損害賠償請求を具体的に考えているとうかがわれるだけの事情は見受けられない。他に,被控訴人が控訴人に対する損害賠償請求を具体的に考えていることをうかがわせるだけの事情は,証拠上認められない。

  以上の事情に照らすならば,本件においては,被控訴人が控訴人に対して,控訴人の従業員であった時期に受けた本件パワハラ等を理由として控訴人に対して損害賠償請求権を行使する現実的危険があるといえるだけの事情があるとはいい難い。したがって,本訴は即時確定の利益を欠くものというべきであるから,これを不適法として却下すべきである。

 4  結論

  以上の次第であるから,控訴人の訴えをいずれも却下した原判決は,結論において相当であり,本件控訴には理由がない。

  よって,本件控訴を棄却することとして,主文のとおり判決する。

  (裁判長裁判官 小林宏司 裁判官 前田英子 裁判官 山城司)

東京地裁平成9・7・24中間判決判タ958号241頁(まとめ・コメント付き)

2026-01-14

裁判年月日       平成 9年 7月24日 

裁判所名           東京地裁 

裁判区分           中間判決

事件番号           平8(ワ)643号

事件名              債務不存在確認請求事件

 

主文

  確認の利益に係る被告の本案前の抗弁は理由がない。

 

事実及び理由

第一  当事者の求めた裁判

 一  原告ら

  別紙交通事故目録記載の交通事故(以下「本件交通事故」という。)に基づく原告らの被告に対する損害賠償債務は、存在しないことを確認する。

 二  被告

  本件訴えをいずれも却下する。

第二  事案の概要

  原告らは、本件交通事故に係る原告車両の運転者ないしその使用者であるが、被告車両の所有者である被告に対して、本件交通事故に基づく損害賠償債務は存在しないことの確認を求めた。これに対し、被告は、本件債務不存在確認の訴えは、訴えを濫用するものとして、確認の利益ないし必要性が否定される場合に当たるから、却下されるべきであると主張した。

  本件の本案前の争点は、確認の利益の有無である(本案の争点は省略する)。

第三  当裁判所の判断

 一  甲第一ないし一七号証(枝番の表示は省略する。)、乙第一ないし五号証によれば、以下の事実が認められ、これを覆す証拠はない。

    1  本件交通事故及び事故直後の示談交渉の経緯

  原告山口は、平成六年一二月七日午前一一時二〇分ころ、原告車両を運転走行中、前方を走行していた訴外兼田浩史運転、被告所有に係る被告車両(タンクローリー車)に追突した。本件交通事故により、被告車両に、修理費等の損害が発生した。本件交通事故は、原告山口の過失によるものであり、同原告は民法七〇九条により、同原告の使用者である原告会社は民法七一五条により、被告車両の所有者である被告に対し、損害賠償責任を負う(以上は争いがない)。

  本件交通事故の示談交渉は、当初、以下の経緯で実施された。

  原告側は、原告車両に係る自動車保険の保険者である日本火災海上保険株式会社(以下「日本火災海上」という。)、関連会社である日本火災損害調査株式会社(以下「日本火災損害調査」という。)にそれぞれ所属する奥村伸一及び原野英樹の二名が、被告側は、被告本人及び被告の業務に関連する株式会社トーエル所属の室越貴信及び小川桂吉の三名が、それぞれ関与して、本件交通事故に関する示談交渉を実施した。

  その結果、平成七年初めころまでに、修理費用については一九万〇五五〇円、検査費用(被告車両のタンクに損傷があるか否かを点検するため、X線を用いて行う検査の費用)については三八万八八二五円で合意した(これらは、既に支払い済みである)。

  しかし、休車損害(右検査及び修理に要する期間、被告は、被告車両に係る営業活動を中断せざるを得なかったが、これにより発生する損害)に関しては、損害額につき合意を得ることができなかった。

    2  休車損害についての示談の経緯

  被告は、平成七年一月一二日、室越貴信を通じて、日本火災海上の担当者に対して、休車損害に係る損害額を以下のように算定すべきであるとしてファクシミリ送信した。すなわち、被告は、①被告車両が、営業用のLPガスタンクローリー車であり、川崎市川崎区浮島町等から厚木市所在の工場への搬送に繰り返し用いていたこと、②事故当日及び修理日については各二往復が、検査日(六日間)については三往復分が、それぞれ予定されたこと、③一往復に係る運送賃は平均三万四二〇〇円であることに照らして、④休車損害は、合計七五万二四〇〇円であると主張した。

  これに対し、日本火災海上の担当者らは、一日当たり一往復分に限って認める旨の回答をし、更に、同年三月一三日、小川に対し、電話で、右方式によって算定した金額を基準として、三〇万円を提示した。しかし、結局、両者間で合意を得ることはできなかった。

  日本火災海上及び日本火災損害調査の担当者らは、加害車両に係る自動車保険契約がPAP契約であることから、担当者自らが、示談交渉を継続することは適当でないとした。そして、右同日、原告訴訟代理人弁護士らが、原告らの委任を受けて、示談交渉等を実施することにし、その旨を被告に通知した。

    3  訴訟代理人が委任を受けてから本件訴訟を提起するまでの経緯

  同年四月四日、被告は、前記小川を通じて、原告訴訟代理人に対して、被告車両の一年間の売上高に関する詳細な資料(甲第五ないし八号証)を送付して、休車損害については、前記金額が正当である旨を伝えた。これに対し、原告訴訟代理人は、同年七月一九日、被告から送付された資料を精査しても、本件交通事故と被告提示の損害との間には相当因果関係が認められないとして、日本火災海上が従来から提示していた三〇万円で解決したい旨回答し、更に、同年八月四日、書面により、三〇万円で示談したい旨の回答をした(甲九号証)。

  同年八月一八日、被告は、小川を通じて、原告訴訟代理人から提示された三〇万円の算定根拠を明らかにするよう求めた他、被告の事務所まで来訪して説明するよう求めて、原告訴訟代理人に対し、書面を送った(甲一〇号証の一)。なお、右書面によれば、被告が休業損害として支払を求めた金額は、一一〇万二〇〇〇円であった。これに対し、原告訴訟代理人は、同月二一日、小川に対し、三〇万円で解決したい旨の書面を送付した(甲一一号証)。

  同年一一月二一日、原告訴訟代理人は、被告に対し、直接、話合いをしたい旨の書面を送付した。被告は、同年一二月一二日、原告訴訟代理人に、面談の申込みに応じたいとの書面を送付した他、原告訴訟代理人に直接電話をし、面談のための日程等の調整をしようとしたが、原告訴訟代理人が不在であったなどの理由から、実際には、直接の面談ないし交渉を実施することはできなかった。

  原告訴訟代理人は、平成八年一月八日、被告に対し、従前の提案を変更する意思のないことを回答した上、同月一七日、被告を相手として、本件訴訟を提起した。

 二  以上認定した事実を基礎として、本件債務不存在確認の訴えについて、確認の利益があるといえるか否かについて、判断する。

 交通事故による損害賠償に関して、その責任の有無及び損害額の多寡につき、当事者間に争いがある場合、そのような不安定な法律関係が長く存続することは加害者にとっても望ましいものとはいえないので、その不安定な状態を解消させるために、加害者側が原告となり、被害者側を相手として、債務不存在確認訴訟を提起することは、許されるというべきである。しかし、損害賠償債務に係る不存在確認訴訟は、被害者側が、種々の事情により、訴訟提起が必ずしも適切でない、或いは時期尚早であると判断しているような場合、そのような被害者側の意思にかかわらず、加害者側が、一方的に訴えを提起して、紛争の終局的解決を図るものであることから、被害者側は、応訴の負担などの点で過大な不利益が生じる場合も考えられる。

 このような観点に照らすならば、交通事故の加害者側から提起する債務不存在確認訴訟は、責任の有無及び損害額の多寡につき、当事者間に争いがある場合には、特段の事情のない限り、許されるものというべきであるが、他方、事故による被害が流動的ないし未確定の状態にあり、当事者のいずれにとっても、損害の全容が把握できない時期に、訴えが提起されたような場合、訴訟外の交渉において、加害者側に著しく不誠実な態度が認められ、そのような交渉態度によって訴訟外の解決が図られなかった場合、或いは、専ら被害者を困惑させる動機により訴えが提起された場合などで、訴えの提起が権利の濫用にわたると解されるときには、加害者側から提起された債務不存在確認訴訟は、確認の利益がないものとして不適法となるというべきである。

 そこで、本件について検討すると、本件交通事故が発生した平成六年一二月から、本件訴えが提起された平成八年一月まで、一年以上が経過していること、その間、当事者間で、休車損害の額に関する交渉が、頻繁に行われたこと、それにもかかわらず、双方の主張には、なお、隔たりが存在したこと等の事情に照らすならば、本件交通事故による休車損害の額について、訴訟によって究極的な解決を図るため、原告らが被告を相手として、債務不存在確認訴訟を提起する必要性があったものということができ、また、訴えの提起が、権利濫用に当たるということはできない。

 確かに、被告側は、早期に、その主張する損害額の根拠となる詳細な資料を送付したのに対し、原告側は、その主張する損害額の算定根拠を必ずしも明らかにしなかったこと、示談交渉の場所の選定などについても意見の対立があったこと等の事情に照らすならば、被告が、本件示談交渉に当たって、原告側の対応に、少なからず不満を持っていたことは推測されるところである。しかし、右の事情が存在したからといって、原告が被告に対して本件訴訟を提起したことが、権利の濫用に当たり、確認の利益を有しないものと解することはできない。

第四  結論

  以上のとおり、被告主張に係る本案前の抗弁は理由がない。よって、主文のとおり中間判決する。

  (裁判長裁判官飯村敏明 裁判官河田泰常 裁判官中村心)

 

【まとめ】

①事故による被害が流動的ないし未確定で,損害の全容が把握できないとき

訴外の交渉で著しく不誠実な態度があり,訴訟外の解決が図られなかった場合

もっぱら被害者を困惑させる動機により訴えが提起された場合

などの事情を考慮し,訴えの提起が権利の濫用に亘ると解されるときに確認の利益が無いとした。

⇒ 最終的なゴールは「訴えの提起が権利の濫用に亘るとき」である

 

【事案の概要・裁判の結果について】

結果的には確認の利益ありと判断されている。

しかし,事案をみると,「当事者間で、休車損害の額に関する交渉が、頻繁に行われたこと、それにもかかわらず、双方の主張には、なお隔たりが存在した」との認定されており,やはりもともと訴えの利益を認めるべき事案であったといえる。

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