レントゲン,CT,MRIで異常が無い(画像所見が無い)とむち打ちの症状は軽いのか?

被害者がむち打ち(頸椎捻挫)をした場合に,相手方の弁護士や保険会社から

レントゲン,CT,MRIで異常が見られず,怪我の程度は軽いはずである。

と主張される場合があります。

この主張は完全に的を外しているものですが,適切に反論できない弁護士が多いのもまた事実です。

そもそも,むち打ちはいまだになぜ起きるのか,メカニズムは明確にはわかっていない(医学書院「今日の整形外科治療指針 第7版」100頁,2018)ため,交通事故の中でも最も難しい事件の一類型です。
しかしながら,交通事故の中で一番件数が多いのも事実であり,多くの弁護士がふわっとした知識のまま事件を処理してしまっています。

それでは,画像上異常がないとの主張に対しては,どのように反論すればよいのでしょうか。

むち打ちは神経,筋肉,腱といった軟部組織の損傷が中心であり,レントゲン,CT,MRIに異常が見られないのはむち打ちの前提にあたります。

したがって,相手の主張はこちらの主張の前提を繰り返しているだけであり,意味の無い主張である,と反論することが可能です。

例えるなら,骨折をしている被害者に対して,「今回は骨折の中でも骨が折れているだけなので,症状は軽いはずである。」と言っているのと同じです。

 

ただし,裁判官がこの点を理解しているとは限らないので,訴訟上は明確に指摘をすることが必用でしょう。

※)本稿は法律・医学的知識のない方向けに,かみ砕いたわかりやすい記載にするため,あえて100%厳密ではない表現をしている場合があります。
むち打ちでも画像上の異常所見がある場合もあり,その場合には別の反論が妥当します。
本稿を個別の事件で主張した場合の責任は負いかねます。

 

 

 

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